2011-01-29

ロジバンが好き

1月28日号の『週刊金曜日』の投書欄でロジバンの宣伝を私はしています。

内容は、このブログの9日付けに書いて訂正に訂正を重ねて今やつぎはぎだらけになっている記事(「言いたいことがいっぱい」)の要約みたいなものです。

その投書にも誤解を与える悪文の箇所があります。
例えば、「クラーマ」という語は「行く」という意味ですが、これに「行く人」や「目的地」などの名詞が順番に付き、「行く」という関係にどう関わっているかを表します。
これだと、

「クラーマ」「行く人」「目的地」

という順番かと思われるが、これは違う。

順番があるのは、

「行く人」「目的地(行き先)」「出発地」「移動経路」「移動手段」

という名詞についてで、「クラーマ」はどこに置いても良いが、文頭にだけはそのままでは置けない。
文頭の「クラーマ」の後は二番目の名詞が来るというのが基本と決まっています。

つまり、こうです。

「 1 (行く人)」 klama 「 2 (行き先)」「 3 (出発地)」「 4 (経路)」「 5 (移動手段)」
「 1 (行く人)」「 2 (行き先)」 klama 「 3 (出発地)」「 4 (経路)」「 5 (移動手段)」
「 1 (行く人)」「 2 (行き先)」「 3 (出発地)」 klama 「 4 (経路)」「 5 (移動手段)」
「 1 (行く人)」「 2 (行き先)」「 3 (出発地)」「 4 (経路)」 klama 「 5 (移動手段)」
「 1 (行く人)」「 2 (行き先)」「 4 (出発地)」「 4 (経路)」「 5 (移動手段)」 klama

名詞を順番に置いていって、それぞれの名詞が最初から何番目の名詞かが分かれば、 klama はどこに置いても構いません。

先に続く名詞のどれかを省略したり(順番が分からなくなる)、名詞の順番を変えたりするには、 fa や se の類を使うなどの細工が要ります。

しかし klama が最初に来た時には、それは

「 1 (行く人)」 klama 「 2 (目的地)」「 3 (出発地)」「 4 (経路)」「 5 (移動手段)」

の「 1 (行く人)」が省略された形だと解釈されるという決まりがあるので、

klama 「 2 (行き先)」「 3 (出発地)」「 4 (移動経路)」「 5 (移動手段)」

となります。

これにより、

klama 「 2 (行き先)」

「どこそこへ行く」と、「誰が」などの主語を言わずに(そして fa や se の類を使わずに)簡潔に表現できるわけです。

投書はエスペラントにからめて、そして本多勝一さんのコラムにからめて書いていますが、私は本多勝一さんにロジバンを紹介したかったのです。

私がこんなに人工言語に入り浸った生活を送ることになったのは、本多さんが二、三年前の対談特集で確か「俺は、現代最大の差別は言語だと思う」とぽつりと言ったことがきっかけだからです。本当に、このたった一言がきっかけだった。

しかし意義がどうとかいう前にロジバンは面白いと思う。

私はこれで身を滅ぼすのか、と思うくらいに、ロジバンは怖ろしい魅力を備えています。

知れば知るほど興味をひかれる。

たとえロジバンに不満を持ったとしても、じゃあ、どうしたら良いか、考えてみよう、というような、そういう姿勢がロジバンには感じられる。議論に議論を重ねて出来た言語だというような。

↓送った投書の文章(掲載されたものとは一部違います)

エスペラントあるいはロジバンを学ぼう

一月十四日号の本多勝一さんの「貧困なる精神」で、「エスペラントを改良してもっと公平な人工語にしたらいいんじゃないか」という意見が述べられていました。私自身もエスペラントを変えたいという気持ちには時々なるものの、その気持ちは抑えるようにしています。数え切れないくらいの人工言語が作られていますけれど、エスペラントはこの約百二十年の間それほど変わっていない。変わらずに続いてきたことがエスペラントの価値の一つだと思うからです。
エスペラントは、言語自体をみると公平な言語とはあまり言えません。しかし特定の民族に属してはいず、「英語」よりは民族から離れていて中立だとは言える。「英語」よりは公平だということで、私はエスペラントを宣伝していきたいと思っています。しかし同時にエスペラントよりも文化的に中立性のある言語を紹介していきたい。
ロジバンは比較的新しい計画言語で、使われている場は主にインターネットですが、非常に魅力的な言語です。
最大の特徴は文の構造にあります。例えば、「クラーマ」という語は「行く」という意味ですが、これに「行く人」や「目的地」や「出発地」や「経路」や「移動手段」の名詞が順番に付き、それらが「行く」という関係にどう関わっているかを表します。これらの名詞の一番目に「ファ」、二番目に「フェ」…などとそれぞれに印を前に付ければ、語順をいくら変えても意味は変わりません。
 さらに、「クラーマ」自体に例えば「セ」を付けると名詞の二番目と一番目が逆転し、「テ」を付けると三番目と一番目が逆転するというように、文の構造自体も変えられます。これに冠詞を付ければ名詞になりますが、「冠詞・クラーマ」なら「行く人」、「冠詞・セ・クラーマ」なら「目的地」になります。単語の名詞形と動詞形の関係がはっきり分かり、意味の重複はありません。
 さらに、文の入れ子構造の区切りを口で言うことなどにより、本多さんの『日本語の作文技術』で言われている「修飾する側とされる側」の関係もはっきり表せます。どれだけ語順を変えても、どれだけ複雑な文章でも、誤解のない文章を作れるのがロジバンです。
 基本語彙の単語は、話者数の多い六つの言語から合成されたものです。
 ロジバンに取り組んでいる人たちの考え方は様々で、必ずしも国際補助語が目指されているわけではありません。しかしエスペラントよりはずっと中立だと言えるし、私は共通語になってほしいと思っています。
 エスペランチストでも中立性にこだわらない人はいます。しかし私は中立性という言葉にこだわり、「英語」支配の今の状況の不公平さを告発していきたい。

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